相続空家の特例とは?共有名義の不動産にも適用できる?

2025-03-04

相続空家の特例とは?共有名義の不動産にも適用できる?

この記事のハイライト
●相続空家の特例とは相続した空き家を売却した際に税金の優遇を受けられる制度
●共有名義の家にも適用可能だが亡くなった方と相続人で共有名義になっている場合と相続人同士で共有名義になっている場合で適用範囲が異なる
●小規模宅地の特例を利用していても条件によって相続空家の特例を併用することができる

少子高齢化や核家族化、人口減少などより、福岡市を含めた日本全国で空き家が増加中です。
空き家を放置することにより、倒壊のリスクや生活環境の悪化を招くため、国はさまざまな対策を講じています。
そのなかの一つが、相続空家の特例です。
今回は相続空家の特例とはどのようなものなのか、共有名義の不動産にも適用可能なのか、ほかの特例と併用できるケースを含め解説します。
福岡市とその周辺地域で、空き家を共有名義で相続する可能性がある方は、ぜひ参考になさってください。

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共有名義の不動産における相続空家の特例とは?

共有名義の不動産における相続空家の特例とは?

まずは、相続空家の特例とはどのようなものなのか、適用要件を含め解説します。

共有名義における相続空家の特例とは?

共有名義における相続空家の特例とは、相続した空き家を売却した際に、譲渡所得(利益)から最大3,000万円が控除できる特例です。
令和6年1月1日以降においては、相続人が3人以上の場合、控除できる金額は2,000万円となっています。
土地や建物を売って黒字になり、譲渡所得が生じると、その金額に応じた譲渡所得税がかかるのがデメリットです。
不動産は高額になりやすい財産のため、おのずと納税額も増えてしまうでしょう。
税金の負担を抑えるためには、利益となる譲渡所得を少なくすることがポイントです。
この特例と用いることによって、譲渡所得が圧縮でき、納税額の負担を軽減することができます。
先述のとおり、近年は福岡市を含めた日本全国で空き家が増加中です。
相続空家の特例とは、税金の優遇措置によって空き家の処分を促進し、これ以上増えないようにすることを目指しています。

適用要件とは?

主な適用条件は、下記のとおりです。

  • 亡くなった方が1人で住んでいた
  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物
  • 相続してから売却するまで空き家のまま

適用条件としてまず挙げられるのが、亡くなった方が1人で住んでいることです。
この特例は、空き家を減少させることを目的にしているので、相続が発生したタイミングで、一人暮らしの場合に限られます。
そのため、同居者がいた場合は利用することができません。
亡くなった方と一緒に住んでいる方がいない状態で不動産を相続し、売却して譲渡所得が発生した場合に税金の優遇を受けることができます。
また、昭和56年5月31日以前に建築された建物であることも、適用要件の一つです。
売却する際は、建物を壊して敷地のみを売ったり、耐震基準を満たすように建物のリフォームをしたりする必要があります。
耐震基準を満たしている空き家は、リフォームをおこなわなくても特例を利用することが可能です。
さらに、相続してから売却するまで空き家のままであることも、適用条件の一つとなります。
相続したあと、その家に住んだり第三者に貸したりすると、この特例を利用することができません。
売るタイミングまで、空き家であることが条件です。
空き家であることを証明するためには、電気やガスの使用状況がわかる書類や写真を提出する必要があります。

必要書類は?

特例を利用する場合、申請時には下記のような書類が必要です。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 売買契約書のコピー
  • 登記事項証明書
  • 建物の耐震基準適合証明書
  • 福岡市役所など自治体から交付された被相続人居住用家屋等確認書

上記の書類は、確定申告書に添付する形で提出します。

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相続空家の特例は共有名義の家にも適用できる?

相続空家の特例は共有名義の家にも適用できる?

続いて、相続空家の特例は、共有名義の家にも適用できるのか否かについて解説します。

共有名義の家には適用できるのか?

結論から申し上げますと、この特例は共有名義の家にも適用できます。
ただし、どのような状態で共有していたかによって、適用範囲が異なるので注意が必要です。

亡くなった方と相続人で共有名義になっているケース

亡くなった方と相続人とで共有していた場合、亡くなった方の持分のみに、特例を適用することが可能です。
たとえば親と長男が2分の1ずつ持分を持っており、相続時に長男が親の持分を取得したとします。
この場合、相続空家の特例を利用できるのは、親の持分だった2分の1のみです。
親が亡くなる前から長男の持分となっていた部分には、適用されないことになります。

相続人同士で共有名義になっているケース

相続人同士で共有名義になっている場合は、それぞれの持分に特例を適用することが可能です。
たとえば長女と次女の2人で共有していた場合、それぞれ最大3,000万円が譲渡所得から控除されます。
最大6,000万円が控除でき、税金対策として有効的です。
ただし、土地や建物を共有名義にすることは、将来トラブルを招く恐れがあるため、あまりおすすめできません。
売却時に共有者全員の同意が必要になったり、相続が繰り替えされて、共有者が数百人になったりする事例があるからです。
売却することが決まっており、多くの利益が見込まれる場合は、共有名義で相続し売却することも選択肢の一つとなるでしょう。
また、先述のとおり、現在は相続人が3人以上の場合、控除できる金額は2,000万円となっています。
長女と次女、三女の3人で共有していた場合、控除できる金額は最大6,000万円です。

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共有名義における相続空家の特例と小規模宅地の特例は併用が可能?

共有名義における相続空家の特例と小規模宅地の特例は併用が可能?

最後に、相続空き家の特例と小規模宅地の特例は、併用が可能か否かについて解説します。

小規模宅地の特例とは?

小規模宅地の特例とは、330㎡までの敷地の評価額を、80%減らせる特例です。
相続税は取得した財産の評価額によって、金額が決まります。
そのため、評価額が低い財産を取得した場合、納税額も少なくなるということです。
敷地の評価額を減らせることができれば、その分相続税の負担を軽減できるでしょう。
小規模宅地の特例の適用要件は、下記のとおりです。

  • 相続税の申告期限までにその家を所有し、住み続けている
  • 亡くなった方の夫もしくは妻が取得する
  • 亡くなった方と同居していた相続人が取得する
  • 亡くなった方に配偶者や同居親族がいない場合、相続前の3年間、賃貸物件に住んでいた相続人が取得する

小規模宅地の特例自宅を相続したときに利用できる特例ですが、適用要件も多くあります。

併用は可能か?

小規模宅地の特例を利用していても、適用要件を満たすことによって、相続空家の特例を併用することができます。
併用するための条件は、下記のとおりです。

  • 亡くなった方と同居する配偶者や相続人がいない
  • その家を過去に所有していない
  • 家を取得した方が、相続開始前の3年以内に持ち家や配偶者の持ち家、3親等内の親族および同族会社などが所有する家に住んでいない

併用時は持ち家のない相続人が家を取得し、まず小規模宅地等の特例を使います。
そして相続税の申告期限まで住み続けたあとに、相続空家の特別控除を受ける流れです。

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まとめ

相続空家の特例とは、相続した空き家を売却した際に、譲渡所得(利益)から一定の金額を控除できる特例です。
共有名義の家にも適用することができますが、亡くなった方と相続人で共有名義になっている場合と、相続人同士で共有名義になっている場合で適用範囲が異なります。
条件によってほかの特例との併用も可能です。
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