2022-11-29
相続する不動産の根抵当権のことで悩んでいませんか。
根抵当権の特徴や相続の流れについて知らなければ、トラブルになる可能性もあります。
そこで今回は福岡市東区を中心に福岡市内及び市内周辺地域で不動産売却をサポートする私たち舞松原不動産株式会社が、根抵当権の設定された不動産のそのまま相続する方法や抹消する方法についてご説明します。
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根抵当権とは、融資契約を締結する際に借入額の上限(極度額)と担保設定の原因となる債権の範囲をあらかじめ定めた上で設定する抵当権のことを言います。
なぜこのような抵当権の設定方法があるのかというと、借り入れの上限額と債権の範囲を1度設定してしまえば、その範囲内で何度も融資と返済を繰り返すことができるからです。
一般の方は根抵当権に馴染みがないかもしれませんが、企業取引においては融資のたびに契約締結と担保設定のための登記を繰り返すことは手間とコストがかかるので、このような根抵当権を設定する方法が用いられます。
ここでは抵当権と根抵当権における3つの違いについてご説明します。
1つ目は、抵当権・根抵当権の対象である債権が明確になっているかどうかの違いです。
住宅ローンの利用時に設定される抵当権は、住宅の購入者(債務者)が期日までに返済しなければならない金額が契約締結時に定まっています。
つまり担保する債権の範囲・内容がローン契約の締結時に定まっていて、それ以外の債権については担保しないということです。
一方、根抵当権の場合は、元本確定の時をむかえるまで返済期日も返済金額も決まっていません。
債権の範囲についても、債権者と債務者との間で自由に決めることができます。
例えば金銭消費貸借取引だけでなく、手形債権や小切手債権まで含めるといった形で債権の範囲を決めることができるのです。
2つ目は、抵当権の権利の移譲の違いです。
抵当権の場合、第三者へ抵当権を移譲することについて債務者から許可を得る必要はありません。
一方で根抵当権の場合、元本が確定するまでは間は債務者から許可を得る必要があります。
なぜなら根抵当権では、抵当権のように債権の内容(返済時期、返済金額、債権の範囲)が明確化されていないからです。
3つ目は、連帯債務者の有無についてです。
抵当権では連帯債務者(連帯保証人)を付けることが可能です。
付ける必要があるかどうかは、金融機関が判断します。
一方で根抵当権の場合、元本が確定する前に連帯債務者を付けることが認められていません。
これは先ほどの移譲の話と同じで、債権の内容が明確化されていないからです。
ですが、根抵当権に連帯保証人を付けることができないのは登記法上のことであり、実態は違うようです。
実際には複数の債務者に対して、個別債務を連帯債務のように取り扱うこともあります。
根抵当権が設定された不動産を相続する場合、急ぐ必要があります。
なぜなら、相続の開始から6か月を経過すると元本が確定してしまうからです。
そのため6か月以内に新たな債務者の登記をしなければ、根抵当権の効力を失ってしまいます。
また相続放棄をする場合は、さらに急がなければなりません。
理由は、相続放棄は相続の開始を知ってから3月以内という期限があるためです。
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ここでは、事業継続のために根抵当権が設定された不動産をそのまま相続する方法や流れについてご説明します。
被相続人(故人)が債務者で、なおかつ根抵当権の設定された不動産の所有者である場合、不動産の所有権移転登記(相続登記)と債務者の名義変更をおこなうための指定債務者登記をおこないます。
この手続きにより、根抵当権をそのまま相続することができます。
被相続人が債務者で根抵当権が設定された不動産の所有者が被相続人ではない場合、指定債務者の変更登記をおこなって相続人が根抵当権設定者の地位だけを引き継ぎます。
指定債務者を誰にするのかは、相続人と根抵当権者(金融機関)が話し合って決めます。
しかし、指定債務者の変更登記は、根抵当権者(金融機関)と不動産の所有者がおこないます。
まず、根抵当権者が亡くなり相続が発生したら、根抵当権者(金融機関)に連絡します。
根抵当権に関する相続関連の登記には、債権者が作成する書類が必要だからです。
次に根抵当権が設定された不動産を相続する方を、遺産分割協議で決めます。
事業のために根抵当権が設定されていた場合は、一般的に事業を引き継ぐ相続人が不動産を相続します。
不動産の所有者が被相続人から相続人に変わる場合は、所有権移転登記をおこないます。
同時に根抵当権の債務者変更登記をおこないます。
なお債務者変更登記の債務者は、相続人全員となることに注意してください。
相続人の1人が指定債務者として決まっている場合でも、一旦は相続人全員を債務者として変更登記をおこないます。
指定債務者の合意の登記後は、相続後の債務については指定債務者が負うことになります。
なお相続前の債務については、相続人全員が持分に応じて相続することに注意してください。
つまり相続開始後の新たな債務について指定債務者が全て負担しますが、相続開始前の債務まですべて指定債務者が負担するわけではないということです。
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ここでは、相続した不動産の根抵当権を抹消するための方法についてご説明します。
抹消するための方法は、債務が残っている場合と残っていない場合に分けて解説します。
根抵当権の債務が残っているケースでは、まず担保である不動産を売却します。
不動産の売却金額で残債を完済させてから、根抵当権の抹消登記の手続きをおこないます。
ただし、この流れは担保である不動産の売却価格が債務を上回っている場合です。
もし不動産の売却価格が残債額を下回る場合には、相続放棄を考えるという選択肢もあります。
相続放棄をおこなう場合は、相続開始から3か月以内に手続きをする必要があるので注意してください。
債務が残っていないケースでは、根抵当権者である金融機関に相談します。
根抵当権の抹消登記について合意が得られれば、司法書士に依頼して抹消登記をおこないます。
なお根抵当権の抹消で気を付けなければいけないのは、必ず金融機関の同意を得る必要があることです。
債務がない場合でも根抵当権の設定額が大きいと、金融機関としては大口の融資先を失うことになるので反対するケースもあります。
そのため、相続を理由に適切に交渉をおこなって合意を得ることが重要です。
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今回は、根抵当権の設定された不動産をそのまま相続する方法や抹消する方法についてご説明しました。
抵当権と根抵当権には3つの違いがあり、根抵当権が設定されている不動産の相続は急ぐ必要があるでしょう。
根抵当権の設定された不動産の相続時には、所有権移転登記と債務者変更登記をおこなった後に、指定債務者の合意の登記をおこなわなければなりません。
私たち舞松原不動産株式会社は、福岡市東区を中心に福岡市内及び市内周辺地域の不動産売却を専門としております。
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