2022-12-27
空き家を相続した際、持ち家がすでにある場合などは不要になる可能性があります。
土地や建物は所有しているだけで費用や管理義務が生じるため、活用方法がない場合は相続放棄も視野に入れてみてください。
今回は空き家の相続放棄とはなにか、管理責任や手放すための方法を解説します。
福岡市東区を中心に、福岡市内および市内周辺地域で、空き家を相続するご予定のある方はぜひ参考になさってください。
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まずは空き家の相続放棄とはなにかをご紹介します。
相続放棄とは、すべての財産の相続権利を放棄することです。
家庭裁判所に申し立て、認められると相続放棄が可能になります。
借り入れ金などの負債だけでなく、預金や不動産などプラスの財産も相続できなくなるのが特徴です。
「相続放棄=相続する権利が最初からない方」という風に、覚えておくと良いでしょう。
また、相続人同士の協議で決定できるのは、プラスの財産のみとなるのが一般的です。
そのため、マイナスの財産については、誰が負担するのかを相続人同士で決められません。
もし決まったとしても支払いが難しくなった場合、ほかの相続人が返済する必要があります。
ちなみに相続放棄とは、相続財産の総額において負債の割合が大きい場合に用いられるケースが多いです。
相続放棄する際、特定の財産だけ放棄することはできません。
そのため、空き家が不要だからといって「空き家は相続放棄し、預貯金だけ手に入れたい」といったことも不可能です。
先述したとおり、相続放棄とは相続する権利がそもそもなくなるため、すべての財産の相続権利を手放すことになります。
空き家を相続放棄する場合、被相続人が亡くなったことを知ってから、3か月以内の手続きが必要です。
3か月を過ぎると、自動的に相続することになります。
ただし、被相続人と長いあいだ連絡を取っていなかったり海外に住んでいて生死がわからなかったりするケースなど、特別な理由がある場合はこの限りではありません。
兄弟や姉妹、親など、すぐに亡くなったことを知るのが一般的な立場であれば、3か月を過ぎると申請しても認められない可能性が高いです。
空き家を相続放棄すると、相続権は下記のように次の相続人へ移行します。
相続する順番は決められており、配偶者が相続放棄すると被相続人の子どもへ、子どもも相続放棄すると直系尊属へと相続権が移行します。
負債が多いからといって安易に相続放棄を選んでしまうと、子どもや両親が悩む可能性があるので注意が必要です。
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空き家を相続放棄する際に気を付けたいのが、管理責任が残ってしまうことです。
管理責任とは、空き家を適切に管理していく責任のことで、巡回や換気などをおこなうことを指します。
空き家を放置すると、放火や不法侵入など、犯罪のリスクがあるのがデメリットです。
外壁が剥がれ落ち、通行人にケガをさせたり景観を悪化させたりする可能性もあります。
また、害虫や害獣の住処となり、衛生面に影響が出ることもあるでしょう。
防犯性や安全性などに悪影響が出ないよう、適切に管理していくことが空き家の管理責任です。
空き家を相続放棄しても、相続人が決定するまでは管理責任が残ってしまうため、注意しなければなりません。
ご自身以外に相続人がいない場合、相続財産管理人を選任する必要があります。
相続財産管理人とは、財産を管理して精算する方のことです。
選任された方は、相続財産から借金などを返済したり、空き家などの不動産などを国に帰属させたりします。
そのため、相続放棄により空き家の管理責任が果たせない場合は、相続財産管理人が代わりに管理することになるでしょう。
ご自身を含めてすべての相続人が相続放棄した際も、管理責任は残ります。
そのような場合、相続財産管理人の選任が必要になるのが一般的です。
相続財産管理人を選任するためには、裁判所への申立てが必要です。
必要と判断されれば選任され、申立てをおこなった方には裁判所から審判書が届きます。
相続財産管理人を選任した場合、費用がかかる可能性があります。
主な費用は、収入印紙代と官報広告料、予納金(相続財産管理人がおこなう業務に対する報酬)です。
高い場合は100万円程度かかることもあり、相続した財産で賄えない場合は裁判所へ支払う必要があります。
相続財産管理人の業務内容などによって、予納金が余れば返金されますが、返金される可能性は低いといえるでしょう。
相続財産管理人によって空き家が国に帰属されると、管理責任がなくなります。
そのため、管理責任から解放されたい場合は空き家を相続財産管理人に引き渡し、権利を国に移行させなくてはなりません。
相続財産管理人が選任され、権利が国に移らないと、空き家の管理責任は消失しないので注意が必要です。
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最後に、相続放棄せずに空き家を手放す方法をご紹介します。
手放す方法としてまず挙げられるのが、売却することです。
空き家を相続放棄しない場合、中古物件として売却によって手放すことも可能になります。
中古物件における売却方法は、下記の2種類です。
需要の多いエリアや建物の状態が良ければ、売却によって利益を出すこともできるでしょう。
近年、新築一戸建ての価格が上昇しつつあり、中古一戸建てを購入してリフォームやリノベーションを検討する方が増えています。
そのため、中古だからといって売れないというわけではありません。
また、空き家を相続放棄しない場合、建物を解体し更地にして手放すのも1つの方法です。
購入後すぐに着工できるため、土地を求めている方に向けて売却できるでしょう。
相続放棄せずに空き家を手放す場合、寄付も1つの方法です。
寄付であれば売却の手間がかからず、社会貢献にもつながります。
主な寄付先として挙げられるのは、自治体や法人、個人です。
自治体に寄付する場合、窓口に相談すれば空き家を調査し、必要と判断されれば受け入れてくれる可能性があります。
ただし、固定資産税や維持管理の負担が発生するため、必ずしも受け入れてくれるとは限りません。
また、個人と法人の場合は、贈与税や不動産取得税、登記費用などの費用がかかります。
個人に寄付する場合は、トラブルを避けるために贈与契約書を作成しておくのがおすすめです。
隣地の所有者に交渉するのも、手放す方法の1つです。
庭を広くするなどの利用価値があれば、購入してもらえる可能性があります。
必ず購入してくれるとは限りませんが、交渉する価値はあるでしょう。
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空き家の相続放棄とはなにか、管理責任や手放すための方法を解説しました。
相続放棄しても管理責任は残るため、売却などで手放すことも視野にいれてみてください。
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空き家を相続するご予定の方は、ぜひ一度ご相談ください。